ワールドガイド
はじめに
始まりの預言
預言者について
彼方の夜と輝族について
組織について
護人について
地方都市、讖在(しんざ)について
はじめに
預言の書を作り出し、そこに書かれた預言の断片を読み上げることで、超常的なまでの事象を引き起こすことができる力を持った預言者。
プレイヤーが操るキャラクターは、生命に関わる事故や激しい心的ショック、強い思い込みなどがきっかけとなって、ある日突然覚醒してこの預言者となった人間となります。
預言者が作り出す預言書の最初の頁には、彼方の夜と呼ばれる異世界、そしてその異世界を支配する、吸血鬼や狼男として知られた人類の敵対者、輝族の存在が明示されています。また同時に、
彼方の夜がやがて自分たちの世界を侵食し、溢れ出した輝族が世界を滅ぼすであろう預言が記されていました。
この世界の滅亡を暗示する預言の成就を阻止するには、
彼方の夜深くに眠る黎明の珠と呼ばれる宝石を奪取する必要があります。
黎明の珠は彼方の夜にあっては世界を構成する核となり、また現世にあっては持ち主の強い想いを反映して世界を変容させる力となります。それを集めることが彼方の夜を退けることに繋がるのです。
これら預言と黎明の珠の存在を知った世界有数の組織は、一致団結して輝族に立ち向かうことを決定し、現世と彼方の夜の最も近い接点である一地方都市に進出して、志ある預言者を全世界から募ったのでした。
そして預言者たちもまた、彼方の夜を退け現世を変革する力となる黎明の珠を求め、組織の招きに応じて地方都市、讖在(しんざ)市へやって来たのです……。
始まりの預言
始まりの預言とは、預言書の1ページ目に浮かび上がる不可侵の預言のことです。
始まりの預言は世界の趨勢と預言者の使命を表した預言で、その言葉自体が力を持ち、致命的な輝族の攻撃に幾度か耐え、力尽きても彼方の夜に囚われることなく現世に帰還できるのも、全ては始まりの預言が持つ理力が預言者を護っている為なのです。
「待つ夜の神の 凶つ檻唄」
古き預言に記されし、約束の刻来たれり
四海遍く月を聘し、夜陰恢恢にして客を招く
其は輝族 夜を統べる死魔
輝族挙りて此方の夜を猖獗し、
人数多死して現世崩滅す
然ど天が定めし理の守護者、
目覚めては預言を繰りて輝族を斃し、
昏き彼方の夜を踏破せん
其が得る夜を唄いし黎明の珠、
彼方に在って形を成し、此方に在って形を変す
かくて欠片の綢繆を以って、
――――― 汝ら運命を砕く劒とならん
預言者について
単なる偶然か、それとも天の采配か。
預言者となるべく定められた人間は、ふとしたきっかけで手にした書物(それはハードカバーの新書であったり、漫画雑誌であったり、新聞紙だったりします)に始まりの預言が浮かび上がるのを見て、預言者として真に覚醒します。
預言者の最初の力は、
覚醒のきっかけとなった書物を、世界でただ1つの「自分だけの預言書」に作り変えることによって発現します。
預言書となった書物は、最初の頁にある始まりの預言を除いて全て白紙となり、世界に散らばる力ある預言の断片、その言葉を白紙の頁に焼き付けることにより、
その頁に書かれた預言を読み上げて実現させることができます。
また、預言者のもう1つの能力として、
現世から彼方の夜へと続く門を作り出し、彼方の夜へと入り込む力があります。
その力をもって、預言者は黎明の珠を求めて彼方の夜へと探索に赴くのです。
彼方の夜と輝族について
輝族は彼方の夜に棲む存在で、根本的に人類とは異質な存在である為に相容れることはありません。
輝族は始まりの預言に記された「約束の刻」が来るまで現世に干渉したりしませんが、時折いくつかの条件、偶然と必然が重なって現世に出現した門を通って、彼方の夜から輝族が迷い出ることがあり、それらは吸血鬼や狼男、悪魔や悪霊などの名で一般に知られています。
輝族は人類と同じように社会を形成し、力ある存在であればある程、彼方の夜の奥深くに棲んでいます。
中には黎明の珠を体内に取り込み、強大な力を得た輝族も存在します。
組織について
預言者と契約を結び、黎明の珠を収集する代価として、彼方の夜の探索を支援する。
それが組織です。
組織の支援は、その豊富な資金と広大なネットワークで世界に散らばる預言の断片を集め、護人と呼ばれる従者を貸し与えるなど、多岐に渡ります。
また、一般人に対して輝族の存在や彼方の夜、始まりの預言など、預言者しか知り得ない情報が漏洩されるのを社会的に未然に防ぐ役割も果たしています。
組織は構成員である預言者から黎明の珠を集め、その力をもって世界の有り様に干渉しています。
現在、讖在市には以下の6つの組織が進出しています。
世界救済機関(W.S.O)
正式名称「World Salvaging Organization」。世界各国の危機管理機構が合同出資して設立した、真に世界、そして人類救済を目的とした機関です。
特務:神崎正務員
聖印教会
法王庁直属の預言者のみで構成された特殊機関です。輝族を滅ぼして神の威光を知らしめ、黎明の珠をもって神の国を現出させることを本義としています。
司教:フリューゲル神父
バベル(Babel)
魔術師による、魔術師の為の秘密結社です。表向きは学究の為の任意団体ということになっていますが、いずれは大宇宙の黄金律を極め、魔術による完全な秩序社会の構築を目的としています。
盟主:コルネリウス・アグリッパ
ジオラボラトリィー(Geo Laboratory)
錬金術をベースに、自然力学、生体工学などを研究する機関です。ホムンクルスを生み出して育成する傍ら、無機物に仮初の命を与えたり、無から全く新しい生命体を作り出すことを目的としています。
老師:ヘイゲル師 & プエラ
蒼華学園
讖在市に新設された小中高大全てが揃った総合学園です。学園は一部の優秀な能力を持つ生徒を対象に特別学課を組んでおり、能力開発の更なる促進に余念がありません。
理事長代理:矢不来 苑華 & 木古内 苑華
天帝病院
世界的大企業、天帝グループの医療部門で、讖在市の治療機関を一手に担っていますが、裏では投薬や遺伝子操作などによる生体兵器の開発などを秘密裏に行っています。
病院長:倉持博士
護人について
護人は組織が人為的に生み出した、
預言者の身辺を護衛する為の従僕
で、それぞれ各組織ごとに特殊な護人を抱えています。
護人は預言者のように決定的な力を持ちませんが、その卓越した能力は輝族と相対するに足り、並外れた耐久力は預言者が耐えられない輝族の攻撃を受けきることができます。
とはいえ、彼方の夜を行き来する能力などは持っていないため、預言者を輝族の攻撃から護り、その任務を補助するのが使命となっています。
護人は、映画スターのように超人的な活躍ができる凄腕の傭兵もいれば、最先端の科学によって生み出された人型アンドロイド、薬物投与などの実験によって強化された学生、霊力を秘めた狼、魔力のこもった空飛ぶ剣など、実に様々な形態を持っています。
中には独立した意思を持って、預言者と単なる主従を超えた関係を築く護人も存在します。
地方都市、讖在(しんざ)について
元は山間に開けた平地にひっそりと佇む小さな村でしたが、政令によって大規模な都市化政策が敢行され、それに合わせるようにして外資系の企業が続々と進出し、名を讖在と改め、3年と経たない内にその姿を一変させてしまいました。
かつての閑寂さは活気と喧騒に取って代わり、整然と区画整理された土地には、外資系企業の意匠を凝らした高層建築物が立ち並び、日本人ばかりでなく外資系企業に勤める外国人の姿も多く見られます。
他にも様々な施設が誘致され、異例のスピードで大都市の仲間入りを果たしました。
建前上、近代的国際都市のモデルケースとして作られた讖在市は、人が居住することを前提として作られたのではなく、あくまでビジネスや学究が主軸に置かれ、昼の間は賑わいますが、夜になると街から人気がなくなります。例えば、讖在市にはコンビニエンスストアはなく、その必要性が考えられる場合は、施設内に独自にその機能を有しています。
夜の讖在市に姿を現すのは、残業をしているビジネスマン、寮に住む学生、夜勤の医師や看護婦、泊り込みの研究者……そして、彼方の夜への探索を行う預言者だけとなります。
讖在市は始まりの預言に関わる組織が、その巨大な資本を出し合って作り上げた計画都市。
その名は「讖(預言)に在る都市」の意味を持ち、また同時に「神座(=神楽)」の隠し名であり、人為的に作られた幽界(かくりよ)の門、
彼方の夜に最も近い接点
なのです。