過去の変動の記録

ヒトデが知能を持ち、ヒトデ文明が勃興

 讖在市に本拠を構えるGeo Laboratoryはこのたび、「非常に高度な文明を築いている新種の生物を発見」という驚くべき事実を発表しました。
 ヒトデによく似たこの生物は、生物学的特徴においてもヒトデに近いものの、その社会制度は人類のものに酷似しており、以前から人類に対して秘密裏に接触を行っていたのではないかと推測されます。
 また、人類の主要言語をほぼ完全に理解しているため、意思の疎通を行うことも容易で、今後はその交流の内容が注目されることとなりそうです。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、このいわゆる「知性化ヒトデ」は、Geo Laboratoryが極秘に研究を続けていた実験体が黎明の珠の力によって急速な進化を遂げたもので、Geo Laboratoryから逃げ出し、瞬く間に仲間を殖やして一大社会を築き上げたようです。
 人類に接触してきた意図は分かりかねますが、すでに彼方の夜への進出を試みているらしく、少なくとも今のところは、あまり友好的な関係は築けそうにありません。

病んだ個所から本来より高性能な義体で補完する事が一般化

 人類は今、新たな一歩を歴史に刻むこととなった……。
 サイバネティクスの分野で世界をリードする日本、その頂点とも言える讖在市の天帝病院が、これまで長年開発を続けてきた高性能義肢を遂に完成させ、国家の認可も無事に得られたことを大々的に公表、世界中の注目を集めています。
 当病院の発表によれば、有機部品を用いたこの義肢は、負傷・欠損した部位の単なる代替品ではなく、むしろ積極的にその部位を強化し、しかも全く違和感を感じさせない革新的な義肢である、とのことです。すでに当病院では、この義肢を用いた治療を実践、期待通りの効果を挙げているとのことですが、それが本当なら、我々はまさに夢が現実のものとなる瞬間に立ち会うことができた、と言えるでしょう。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、天帝病院における施術には、少なからぬ失敗例が含まれている、というのが真実です。その失敗例とは、義体を付けた患者が突如暴れ出し、失踪する……というもので、その理由として、義体に使用されている「有機部品」すなわち輝族の生体部品による影響が、当初の病院側の予想を上回っていたことによるものと思われます。
 失踪した患者が彼方の夜を徘徊し、ある種の輝族に似た力を行使してきた、との報告が相次いでいます。今後は充分な警戒が必要となるでしょう。

新たな防衛力として正義の味方、ヒーローを登用

 本日、政府より、「自国の防衛を担う重要な戦力として、ヒーローの採用を施行する」との声明が公式に発表されました。これまでの防衛路線を大きく覆す決定に早くも賛否両論が飛び交っていますが、その意見の大半は「どこの馬の骨とも知れない輩に国防を委ねるわけにはいかない」というものであり、今後どれだけ明確な身分証明を行えるかに、反対派説得の成否がかかっていると言えるでしょう。しかしながら、伝統的な「ヒーロー」の性質上、その身元を明らかにすることは事実上不可能で、結局は強行策によって既成事実を作り上げるといういつもながらの展開となりそうです。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、この突然の決定は実際のところ、現実に迫りつつある脅威への対抗手段としてなされたものです。その脅威はすでに各地にて無視できないほどの被害をもたらし、あろうことか彼方の夜にも出没して輝族との連携を図っている、との報告が相次いでいます。

NASAの宇宙飛行士が全長45kmの宇宙鯨を目撃

 新年早々、とてつもない大物が世間の耳目を集めています。
 先日、NASAのスペースシャトルによって目撃・撮影された、通称『宇宙鯨』は、その後の解析により、実に全長45kmもの超巨体であることが判明しました。
 この『宇宙鯨』、現在のところ生命体であるか否かが最大の論点になっていますが、生命体であることが証明されれば、人類初の地球外生命体との接触という歴史的大事件ということになります。
 現在『宇宙鯨』は衛星軌道上に位置し、余りにも巨大なために地上から容易に目視が可能ということもあって、巷ではにわかに宇宙鯨フィーバーが巻き起こっています。が、日照や潮汐など環境への影響が懸念されつつあり、また時々忽然と姿を消し、いつの間にかまた戻ってきているなど、その行動も全く推測不能で、依然予断を許さない状況です。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、彼方の夜に黄金色に輝く鯨型の輝族が出没している、との報告が相次いでいます。斯界の権威であるGeo Laboratoryでは、一部の輝族と『宇宙鯨』との間に何らかの干渉が発生し、その結果として生じた鏡像が実体化したのではないか、との推測がなされていますが、いずれにせよ危険な存在であることだけは確実で、また現世への影響も計り知れません。

コルネリウス・アグリッパがグレ、現代魔術師の家庭問題が表面化する

 皆さん、こんばんわ。『まる見え 讖在!』の時間がやってまいりました。
 本日の特集は、讖在市に頻発している一連の凶悪事件についてです。
 讖在警察の発表によれば、自然公園で発見された大野正平さん(42)を始めとして、現在までにおよそ12人の死亡が確認されている他、一連の連続猟奇殺人事件に巻き込まれたと思われる行方不明者は40人を数え、その安否が気づかわれています。
 この事件で特徴的なのは、いずれも被害者は大型の動物に襲われたかのように、巨大な爪や牙による外傷によって死亡し、更に遺体の一部が欠損しており、加害者によって持ち去られた可能性があるということです。讖在警察では同一犯による連続殺人事件の見方を強め、周辺住民への注意を強く呼びかけています。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、現在各メディアで取り上げられている一連の連続猟奇殺人事件は、Babelメインタワーの基部にある「神業の門」に封じられていた強力な輝族が解き放たれ、その輝族が作り出した彼方の夜が街を侵食したことが原因であると、組織長代行より各組織の長に通達されました。

木古内が弓道の制服を巫女服に変更、さらに弓道部を強化し護人に任命

 それは、蒼華学園の理事長代理による、
「弓道部員を全員強化生徒に改造! あと制服は巫女服!」
という、例によって大胆な案件の提出から始まりました。

 学園内部に反対を唱える者などいるはずもなく、この案件はあっさりと可決されました。ある者は施行を心待ちにし、ある者は嘆息をもって感想に代え……しかしそれが、一つの悲劇的な事故によって幕を下ろすことになるとは、誰一人として予想してはいませんでした。

 余りにも限定された対象に注ぎ込まれた黎明の珠の力は、凄まじいまでの密度に収束していき……その結果、蒼華学園内部には、マイクロブラックホール状の「魔力溜まり」が形成されることになったのです。
 そして、その力に惹かれた有力な輝族達が続々と蒼華学園へと集結、今や学園は輝族の殿堂と化してしまいました。
 幸いにして「彼方の夜」と無縁な一般人には、学園はいつもと同じ佇まいにしか見えていません。が……弓道部員は全員消息不明、その場に立ち会っていた理事長代理も行方が分からず、学園は混迷を極めています。

召還秘術が大暴走し、預言者の影が彼方の夜で実体化を始める

 先日未明、民間の学究団体であるBabelの研究施設で大規模な爆発事故が発生しました。
 この爆発事故により、研究施設の「セフィロト」と呼ばれるメインタワーの一部が損壊し、ガラスや鋼材の破片が周辺に降り注ぎました。幸いにもこの爆発事故による怪我人はなく、警察では団体から事情を聴取すると共に事故の原因を調査しています。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、今回の爆発事故は「魔力ゲートを開いて異界の存在を呼び出す召喚秘術の失敗」であることが、Babel組織長のコルネリウス・アグリッパから各組織の長に通達されました。
 主な原因は、プレーンシフトを可能とするゲートを形成・維持する為に必要な魔力を黎明の珠によって補ったところ、予想を遥かに超える大量の魔力が一度に発生し、供給過多に陥った魔力が召喚術を暴走させた、とのことでした。
 現場の指揮を行っていたコルネリウス・アグリッパの咄嗟の判断により、流出した膨大な量の魔力を「彼方の夜」へと逃がすことによって被害を最小限に食い止めることに成功しましたが、これによって新たな問題が発生してしまいました。
 明確な方向性を与えられなかった無形のエネルギーである魔力は「彼方の夜」で変質し、「預言」という大きな力を操る預言者に反応するようになったのです。この為、流れ込んだ魔力が吹き溜まっている場所で預言者が預言を行使すると、魔力は預言者の似姿を形作り、預言に似せたやり方で溜まった魔力を破壊エネルギーに変えて放出する現象が見られるようになりました。

失われた聖遺物の発見

 聖遺物……それは「崇拝された聖人」がこの世に残した物を意味し、聖人が持っていた武器や着衣などに留まらず、死んだ聖人の骨や体の一部なども崇拝の対象とされています。聖遺物は、救済を求める人々の心の拠り所である願望器としての役割も果たし、そのいくつかは神の奇跡たる絶大な力をもって長らく人類を守護してきました。
 しかし、力ある聖遺物は長い戦乱の歴史によってその大半が失われ、僅かに残っていた物も盗人によって持ち出されてしまい、現存する聖遺物の殆どが形だけ模した複製品という有様になっています。
 そのことを憂えた法王庁は、数世代にも渡る過酷な聖遺物探査の結果、失われた聖遺物の多くを発見することに成功し、その偉大なる加護が再び人類にもたらされるであろうことを高らかに宣言したのでした。
 それに合わせて、法王庁ではいくつかの主要な教会にて発見された聖遺物の一部を一般公開しており、古式ゆかしい西洋甲冑に身を包んだ騎士と高僧による警備の中、多くの信者が聖遺物を一目見ようと礼拝に訪れています。
 法王庁によると、この聖遺物の一般公開は今月末までを予定しており、以後は法王庁直属の「聖遺物管理局」によって厳重に保管されることになります。各国政府はこの一般公開に合わせて軍隊や警察を出動させるなど、教会周辺の警備を強化しています。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、教会は黎明の珠の力を利用して聖遺物に宿る「神格」を抽出し、膨大なエーテルを使用して器を与えることによって、聖遺物の完全な複製を行うことに成功しました。ただし、この複製はあくまで一時的なもので、エーテルで作られた器が「神格」に耐え切れなくなると複製品は自壊してしまい、エーテルは霧散し「神格」は聖遺物の下へと戻ってしまいます。
 教会はこの技術を利用し、打倒輝族の本懐を遂げるという名目で、大量のエーテルと引き換えに各組織に向けて聖遺物の複製品の貸与を始めました。

20歳未満の女性は、全員ニーソックス着用を義務付ける

 全ては極東のある国が「20歳未満の女性は、全員ニーソックス着用を義務付ける」という、前代未聞の珍法を制定したことから始まりました。 この、どこをどう切り取っても全く意味が分からない突然の事態に際し、人々は戸惑いを隠し切れずに「何かの冗談か、聞き間違いだろう」と首を傾げていました。しかし、その日を境に世界各地で同様の珍法が次々と制定され、正式に「ニーソックス監査委員会」なる怪しげな組織が発足するに至り、「何だか分からんが、こいつらは本気だ!」と感じた一部の市民団体が抗議運動を始めましたが、国家権力に擁護され、世界各国に支部を持つまでに肥大化した「ニーソックス監査委員会」を止めることはできませんでした。
 良識ある人々からの非難の中、「ニーソックス監査委員会」の委員長に就任した謎の女子高生「K」は、若年層に人気があるファッションリーダーをキャンペーンガールとして起用する他、人気テレビ番組を多数買収してニーソックスを取り上げさせたり、謎のニーソックスフェチアニメ『ニーソックスを履いた猫メイド』を放映するなど、湯水のように資金を投じてニーソックスの宣伝活動を推し進めました。
 その衒いのない力技が功を奏したのか、ニーソックス着用義務に対する嫌悪感は消え、じわりじわりとニーソックスを着用する20歳以上の女性が増えるなど、従来のマニア層のみならず一般にも広く浸透する結果となりました。
 ただ、一部の人々は依然として不意打ち同然の法規制や、謎の女子高生「K」の豪腕戦略に警鐘を鳴らし、常軌を逸した団体である「ニーソックス監査委員会」の危険性を叫び続けています。

アカシャの実在が確認されアカシックレコードが解読される

 最近、民間の学究団体であるBabelより発表された、ある1つの研究結果が世間を賑わしています。
 それは人類史の全て――この地球上に起こる過去・未来にわたる全ての出来事――が記された「アカシック・レコード」が解読された、というもので、Babelはその研究結果の真否を証明する為に、先日ホノルルで発生した大震災を予言しました。
 そして、地震の発生時刻、発生地点、規模などの全ての符号が予言と完全に一致し、「アカシック・レコード」とその解読の成功が証明されたのです。
 Babelの発表によると、「アカシック・レコード」の解読が行えたのはこの先1ヶ月間の記録だけで、その全てを解読するにはまだまだ時間がかかるということですが、「アカシック・レコード」の解読が完全に成された暁には、この先起こる全ての凶悪犯罪を未然に防ぎ、天災の被害を最小限におさえることができると、警察、及び各省庁が大きな期待を寄せています。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、「アカシック・レコード」をもってしても輝族の全容は掴めず、輝族が根本的に人類から乖離した存在であることが改めて確認されました。
 しかしながら、輝族と相対する預言者の未来に関してはある程度の情報を得ることができ、それは各組織を通じて全ての預言者たちに伝えられることとなりました。

世界各地で人の背中に翼が生え始める

 最近、国を問わず、土地を問わず、民族を問わず、その内容には多少の違いがあるものの、世界各地である1つの噂が真しやかに囁かれています。

 それは、人の背に突然翼が生えるということ。
 それは、血を噴水のように撒き散らしながら肉と皮膚を突き破って現れること。
 それは、天使のように真っ白な鳥の翼ではなく、血に赤く染った、無機的で、ひどく模式的な金属の翼だということ。
 それは、成長期にある少年、少女だけに起こること。
 それは、激しい痛みを伴い、中にはその痛みに絶息してしまう者があること。

 そして、この噂話において必ず共通しているのは、誰が通報した訳でもないのにすぐさま救急車が駆けつけ、かかる運命に見舞われた少年や少女を連れ去ってしまい、決してニュースで大々的に取り上げられたり、新聞の一面記事を飾ることがないことです。

 事態の異常性にも関わらず、あらゆる情報媒体はまるで何事もなかったかのようにその存在を無視し、救急車で連れ去られた少年、少女の家族が騒ぎ立てることもありません。
 だから、これは口伝えに広がる現代の伝奇。数あるフォークロアの1つに過ぎないのでしょう。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、天帝病院グループが対輝族用に極秘裏に進めていた「BS計画」の一端である「人類有翼化計画」を打ち出し、優秀な適合者を新たな護人として登用することを発表しました。
 「人類有翼化計画」の骨子は、成長期の少年、少女の背に「バイオ・メタル」と呼ばれる黎明の珠の欠片を組み込んだ装置を埋め込むことにあります。埋め込まれた「バイオ・メタル」はほどなくして人体と融合し、体組織を作り変えつつ、体内の鉄分を調整して人工翼を作り出します。
 この人工翼は本人の成長と共に自己進化を行うように設計されており、輝族との戦いを通じて「より完全な姿に近づくだろう」と天帝病院グループは大きな期待を寄せているもようです。

 しかし、「人類有翼化計画」の裏側では、「バイオ・メタル」との融合に失敗し、過度の拒絶反応を引き起こして死亡するケースが多発。多くの少年、少女らが犠牲となりました。
 しかも、この計画で犠牲となった少年、少女らの「翼ある人」という姿を憑代に、天界より追放されて実体を失っていた堕天使が受肉し、人類の敵対者である新たな輝族の覚醒を促すこととなりました。
 この事態に対し、聖印教会は神の意思を代行して全ての堕天使を討ち滅ぼす為に、御使いを強化してより高位の天使へと昇格させることに成功しました。

国家が新しいエネルギーとして魔法力を認定

 ある日を境にして、突如各種メディアを騒がせることになった未知なる力……魔法力。
 伝承や物語の中でのみ語られていた神秘の力が、この度各政府機関の発表によって実在が証明され、「新しいエネルギー」として認定されたのです。

 認定後、全国の教育機関は民間の魔術を専門的に研究する学究団体を専属顧問に招き、カリキュラムに「魔法学」が導入されることになりました。また、児童が持つ潜在的な魔法力を測定すると共に、新たに魔術専門の魔法学校を新設し、素質ある者を更に専門的に訓練して世に優れた力を持つ魔術師を輩出する計画が着々と進められています。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、対輝族用の新たなる戦力としてBabelが主幹となって育成した魔術師たちは、能力的に「運命の力そのものを操る」預言者には及ばなかったものの、輝族の超破壊力に対してそれなりに抵抗することができた為、新たな護人として預言者の守護を任せられることになりました。
 また、Babelは「骨董品のソラス」店主、エクリプスの協力を得て、魔力で強化した装備品の量産化に一部成功しました。しかし、原材料と魔術師の絶対数が不足している為に一般販売はできず、強化装備品は交換所で原材料と交換のみとなります。

 一方、この世界で多くの人が新しい力を認識し、世界が変革されたことにより、彼方の夜にも様々な変化が起こっています。

体内で薬品が出来る人間の急増!

 ある日を境にして、突如世界中である一定年齢の少女たちが突然倒れ、病院へと担ぎ込まれる事件が相次ぎました。後に「エイソール・シンドローム」と呼ばれるこの変異は、少女たちの体内である特定の未知なる体液が分泌されたことによる異常で、この件を調査していた世界的権威を持つ天帝病院グループでは、この未知なる体液から精製された薬品を「エイソール」と命名しました。
 天帝病院グループの発表によれば、この「エイソール」は人間の潜在能力に作用し、限界を超えた力を引き出す効果があるということでしたが、その原液を体内で分泌する少女たちは「エイソール」の副作用によって免疫力が極端に低下してしまった、とのこと。

 尚、ここから先は讖在市に集う預言者のみに伝えられたことですが、更に悪いことに免疫力の落ちた少女たちは、実体を持たない、一般的に「邪霊」と分類される輝族によって意識を乗っ取られ、病院を抜け出して彼方の夜へ脱走してしまったのです。

未知なるエネルギー、エーテルの発見!

 「骨董品のソラス」の店主、エクリプスの意向によって、各組織に古代より綿々と受け継がれてきた奈落の釜、「坤炉」が寄進されました。

 「坤炉」によって焼成された魔力含有物は青緑色の液体に変化し、エクリプスの言により、その青緑色の液体が第五のエネルギー、「エーテル」であることが分かりました。
 「エーテル」は霊的存在に対して多大な影響力を発揮し、物に宿る魔力を高めたり、物に魔力を定着させる糊のような働きをしたり、「始まりの預言」によって霊的加護を得た護人に活力を与えたりと、これからの輝族との戦いに必要不可欠なエネルギーとして認知され、各組織でエーテルの生産が推奨されるようになりました。